『インストール』読了。 |
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| 遅まきながら、綿矢りさの『インストール』を読み終えた。 正直、最初読み始めた時は、「なんじゃこりゃ」と思った。 文体といい、内容といい、どこまでも等身大の女子高生過ぎて、そこに小説の面白さを感じれなかった。 これなら、そこら辺にころがっているブログの内容と大差がないではないか。 文学の世界から見れば、この文体は斬新なのかもしれないけれど、日常生活からみてみればありふれたもので、『女子高生の作文がそのまま小説になっちゃった』感が漂った。
むむ~、と雲行きの怪しさに眉をひそめながら読み進めると、話の内容がだんだん面白くなってきた。 興味のある人は読んでみてください。 詳細は語りません。 日常から少しはみ出してみれば、そこには全く違った非日常があって。 ほんとに少しの勢いでそれは実現してしまう。 そこには自分が今まで知らなかった世界がある。 たとえば、僕にしてもアパートに住んでいるが、壁を隔てた隣の家の中身がどうなっているかなんて全くわからない。 距離にすれば1mもないのに。 そんな風に、自分の知らない世界はいたるところに無限に広がっている。 この本は、非日常の扉をコンコンとノックしてみた女の子の話、とでも言えばわかってもらえるだろうか。
一度読み出したら勢いで、1時間ぐらいでさくっと読んでしまえる。 ただ、別に感動もしなかったし、う~ん、読み終えた、ぐらいの感想しか感じなかった。 感情移入ができるほど人物を掘り下げてもいないし。 なんとも奇妙な読後感だった。 物語や展開はおもしろかったんだけど。
最後のほうは一般的な文体になってたし。 最初のあのよくわからない文体はなんだったんだ、ってちょっと思った。 首尾一貫してないような。。。 それもまたよさなんでしょうか。 ようわからん。 僕的結論は、『ようわからん』です。 こんな風に言う時点でおっさんになりつつあるのかなぁ。 ちょっと、あれなら芥川賞、僕でも取れるかも、と思ってしまった(すいません、無理なのはわかっておりますが)
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4月26日(火)03:08 | トラックバック(0) | コメント(0) | 本 | 管理
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